コタニ動物病院

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はじめに

予防医療について

フィラリア予防

予防期間は蚊が出始めて一か月後~蚊が出終わって一か月後

 フィラリアは蚊が媒介し、フィラリアに感染した蚊が吸血することにより様々な哺乳類に寄生する線虫の一種です。
 
 フィラリアの成虫は肺の血管や心臓に寄生し、場合によっては循環不全を起こして腹水が溜まってしまったり呼吸困難になったりと、重篤な症状を示すことがあります。

 家の中にいるから、外に出ないからと予防を意識されない方もおられますが、蚊に刺されることを完全に防ぐことが出来ない環境であれば予防していただくことを推奨いたします。

 しかし、蚊に刺されてすぐに駆虫薬(予防薬)を飲んだとしても、十分な効果は得られません。
 動物の体に入ったフィラリアの子虫は組織の中で徐々に成長し、感染して約2週間~1ヶ月の時期に駆虫薬の効果が十分に効くようになります。
 そのため、予防期間は毎月1回の投薬を推奨しております。

 蚊は15℃以上になると吸血を始めます。近年あたたかい時期が長くなっていますので、当院では4月から12月(状況によっては翌年1月)までの予防をおすすめしています。
 駆虫薬は錠剤・塗布・おやつタイプなど毎月投薬するものと、年に1回春に注射をするものがあります。
 詳しくはスタッフまでご相談ください。

予防接種

混合ワクチン

 混合ワクチンは定期的に接種することで複数の感染症を予防できます。
 それぞれの動物間で感染するものが主ですが、わんちゃんのワクチンの中には、レプトスピラという私たちヒトにも感染する人獣共通感染症を予防できるものもあります。

 レプトスピラは野ネズミなどの野生動物の尿を媒介して様々な哺乳類へ感染します。直接口に含むことはなくても河川や山などの土壌に潜み、雨が降った後などに出現して感染する恐れがあります。

 また、レプトスピラは混合ワクチンで予防できる感染症の中で唯一、細菌による感染症です。
 病態を引き起こす型がいくつかある中から数種類をメーカー側が選んで作っており、全てをワクチンで予防することはできませんが、重篤な症状を引き起こすリスクを下げることができます。

 都市部をお散歩するだけであればレプトスピラの予防は必要ありませんが、川べりまでお散歩へ行く、キャンプやアウトドア・田舎に連れて行くなど、リスクが高い生活環境であればレプトスピラが含まれたワクチンを年1回接種することをおすすめいたします。

 ねこちゃんの場合、ずっと室内で暮らしているか、お外にも行く子かによっておすすめするワクチンが変わってきます。  
 野良猫さんと接触することにより感染する病気(猫白血病など)がありますので、気になる方は一度ご相談ください。

狂犬病ワクチン

 狂犬病は、法律で年1回の予防接種が義務付けられている人獣共通感染症です。
 お住いの市役所などから毎年4~6月に接種を推奨するお知らせが届きますので、そちらを持って病院までいらしてください。

 狂犬病は発症してしまえば致死率ほぼ100%の恐ろしい感染症です。
 現在日本は数十年間も国内発生がない狂犬病清浄国と呼ばれていますが、海外で感染し、帰国後に発症してしまった人の例が近年でも数件あります。

 感染してから発症するまでの潜伏期間は、咬まれた部位や状況によって数日~数年と様々です。そのため、暴露後(咬まれた後)のワクチン接種を行っている人が世界中で年間約1500万人いるそうです。

 全ての恒温動物(体温が一定の動物)に感染しますが、人への感染経路は大部分が犬からと言われています。そのため、再び狂犬病が侵入した時に飼い犬の狂犬病予防が不十分だと、いっぺんに感染拡大してしまう恐れがあります。

 二度と国内発生を引き起こさないためにも、わんちゃんの狂犬病予防接種を欠かさないようにしてあげてくださいね。

  

ノミ・ダニ予防

ノミ・マダニが活発になるのは13℃以上

 ノミ・マダニは真冬以外に活動的になるため、基本的にはあたたかくなってから予防薬を始めて寒い時期は休薬していただくことが多いです。  
 しかし、現代ではエアコンなどで一年中お部屋の中が快適な温度に保たれており、真冬でも外でノミ・マダニをくっつけて帰って来てしまうと、室内で活発になってしまう可能性はゼロではありません。

 実際に当院でも、1~2月にノミをつけて来院されるわんちゃんねこちゃんが時々おられます。
 お住まいの地域に野良猫さんが多い・野生動物がいる・冬でも山登りなどアウトドアに行く家族がいるなど、リスクがある場合は一年中予防していただくことをお勧めします。

 一度ノミに感染してしまうと環境中に目に見えないサイズのノミの卵やさなぎが落ち、一度駆虫薬を付けても予防薬をやめると環境中からふたたび感染してしまう恐れもあります。
 感染していることがわかったら、燻煙剤などでおうち全体のノミ駆除が必要かもしれません。

 また、ノミは瓜実条虫というサナダムシの仲間を媒介している場合があり、毛づくろいなどで動物が飲み込むことにより感染します。
 お尻の周りや便に白いゴマ粒のようなものがついていた場合、瓜実条虫の一部の可能性があり、体内から出た直後には動いていることもあります。
 加えて、ノミが寄生していると体表にノミの糞がみられます。ノミの糞は血液でできており、水に濡らすと赤く溶けます。

 よく寝ているベッドなどに黒い砂のような粒や、白いゴマ粒のようなものがみられた場合、そのまま潰さずに病院へ持っていらしてください。

マダニが媒介する怖い感染症

 マダニはノミと違って、動物の体表に住み続けるわけではありません。  
 口をしっかりと固定して一定量吸血をしたら動物の体から離れて脱皮をし、再び寄生することを繰り返して成長してゆきます。そのためノミのように糞が体表に残ることはありません。  
 だからと言って害が少ないという訳ではなく、マダニは恐ろしい感染症をいくつも媒介している可能性があります。

 有名なもので言うと、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病などが挙げられ、特にSFTSは重篤な症状を引き起こす可能性のある人獣共通感染症です。

 わんちゃんねこちゃんの感染症としてはバベシア症がよく見られます。
 バベシア症は赤血球が破壊されるため、主な症状として貧血や黄疸を起こし、最悪の場合死に至る可能性のある感染症です。
 投薬・注射などで一旦症状を抑えられても完治はせず不顕性感染と言われる状態になり、感染動物が弱ったときに再発することもあります。

 このような感染症の危険性を知ると、マダニが付いているのを発見したら焦って引き剝がしたくなると思います。
 けれど無理に取ってしまうと固定してある口が残ってしまったり、かえって炎症を起こす可能性がありますので、可能であればすぐに病院へ受診してください。
 吸血開始してから病原体が感染するまでにある程度時間がかかるといわれていますが、もしも病院が開いていない時間などに発見して受診までに数日時間がかかる場合は、ピンセットを使ってゆっくり慎重に除去した方が良い場合もあります。


 ノミ・マダニの駆虫・予防薬は当院で各種揃えております。いつでもご相談ください。

不妊手術

避妊手術

 女の子の不妊手術は、基本的にはお腹を開けて子宮と卵巣を摘出します。

 手術をすることで望まない妊娠を避ける事ができるのと同時に、女の子特有の病気を予防する効果もあります。

 特に乳腺腫瘍に関しては、わんちゃんは2回目の発情までに、ねこちゃんは1歳までに手術を行うことで発生をほぼ予防できます。
 乳腺腫瘍はわんちゃんの場合50%が悪性、ねこちゃんの場合80~90%が悪性となります。悪性の乳腺腫瘍は全て摘出しても再発や転移などが起こる可能性があり、肺に転移した腫瘍が呼吸困難に陥らせることもある怖い病気です。
 もしも子供を産ませる予定がないのであれば、予防効果が高い時期の手術をおすすめします。

 また、子宮に膿が溜まって多飲多尿になり、発見が遅れると命に係わることもある子宮蓄膿症という病気や、子宮・卵巣にできる腫瘍も防ぐことができます。

 もちろん子供を産ませることはできなくなりますので、不安な点・気になる点がありましたらお問い合わせください。

去勢手術

 男の子の不妊手術は、基本的に陰嚢と陰茎の間の皮膚を少し切開して精巣を摘出します。

 手術をすることで誤って妊娠させてしまう危険をなくすことができるのと同時に、男の子特有の病気を予防する効果もあります。

 精巣は元々腹腔内にあり、成長とともに鼠径を通って陰嚢内に降りてくるのですが、中には停留精巣と言って精巣がうまく降りられずに腹腔内や鼠径部に残ってしまう先天的な病気があります。
 停留精巣はそのままにしておくと腫瘍化する可能性が高いと言われており、遺伝性の疾患のため子供を作ることも推奨されません。

 また、去勢をしていないと年齢とともにお尻周りの筋肉が薄くなって隙間ができ、腹腔内の脂肪や腸などがその隙間から出て皮膚を押し上げる会陰ヘルニアという病気になる事があります。
 脂肪だけならば余程大きくならなければ問題にはなりませんが、大腸や膀胱などが肛門周囲に出てしまうと排便・排尿障害が引き起こされる可能性があり、その場合は早めに隙間をふさぐ手術を行うことが必要です。

 他にも肛門周囲腺腫や前立腺肥大などは、一度症状が出ても初期の段階であれば去勢手術をすると症状が治まる場合もあります。

 これらの病気はいずれもシニア期以降に多くなってきます。
 女の子のように手術を急ぐ必要はありませんが、子供を作る予定がなければ元気な若い頃に去勢手術をしておくことをお勧めいたします。


 ◎男の子も女の子も、不妊手術は日帰りでさせていただけます。詳しくはお気軽にお問い合わせください◎

歯周病

虫歯ではなく歯石に注意!

 わんちゃん・ねこちゃんたちは人間とは違って、口腔内の環境がアルカリ性に寄っているため虫歯はあまりできません。
 けれどその代わり歯垢が石灰化した歯石が付きやすく、できやすい子は若くても歯の根元が茶色くなってきますし、酷いときは鎧のように歯全体を歯石が覆ってしまうこともあります。

 歯石は一度付くと取ることは難しく、麻酔下で超音波スケーラーという機械を使って取り除いてあげる必要があります。

 酷くなると、口臭だけでなく歯のぐらつきや出血、鼻水や顔の腫れなどの歯周病症状が出てきます。
 ひどくぐらついた歯はそのままにしておくと痛みが出て食欲不振になることもあり、早めに抜歯してあげた方が快適に過ごすことができます。

 歯石が付かないように歯磨きなどのホームケアを毎日してあげられたら良いのですが、どうしても慣れるまでが大変です。
 ホームケアを始める時は決して無理をせず口元を触るところから始め、少しできたら嫌がる前にすぐやめて褒める、を繰り返して根気よく慣れさせてあげてくださいね。

歯周病と口内炎

 歯周病は歯周病原細菌が増えることにより口臭や歯肉の腫れ・退縮、歯を支える歯槽骨が溶けるなどの症状を引き起こします。

 前述したように鼻水や顔の腫れなど外見に症状が出ることもありますが、食事を食べこぼすことが多くなったり、何も食べていなくてもくちゃくちゃと噛むような仕草をしたり、前肢で口周りを掻く仕草をしている時も口腔内にトラブルが起きている可能性が高いです。

 ねこちゃんの場合、歯石などが酷くなくてもウイルスや体質により難治性の口内炎になる事があります。


 食欲が落ちてきた・口を気にする・口臭が酷いなど、気になる事があれば一度ご相談ください。

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